共有名義不動産を放置したまま、いわゆる空き家のような状態で長く所有すると様々なトラブルが発生する可能性があります。
それを避けるために共有名義不動産を活用する方法の一つとして、物件を貸し出して活用する場合はどのような問題があるのかについて説明していきたいと思います。
1) 持ち分比率が過半数あれば賃貸物件として活用できる
2) 土地と建物の期間などの条件
3)賃貸による収益の共有者への分配について
1)賃貸物件として活用するメリット
2)賃貸物件として活用するデメリット
1)今後を見据えた見極め
2)賃貸物件での活用ではなく共有名義不動産を売却するという選択
1)持ち分比率が過半数あれば賃貸物件として活用できる
共有名義不動産を賃貸物件として活用する場合、原則として持分の過半数の賛成が必要とされています。仮に3人の共有者がそれぞれ3分の1ずつ持分を所有している不動産を賃貸物件として使用する場合、2人が賛成しているなら1人が反対しても賃貸物件として活用出来るということです。
2)土地と建物の期間などの条件
ここで注意しておく点として、賃貸借の契約期間が土地であれば5年以内、建物であれば3年以内なら短期賃貸借として管理行為となるので、持分の過半数の同意で良いのですが、その期間を超える場合は変更行為となり、全員の同意が必要となります。
ポイントとなるのは、同意の数が共有者の過半数ではなく、持分の過半数だということです。
3)賃貸による収益の共有者への分配について
共有名義不動産を賃貸物件として活用し収益が発生した場合は、物件が生み出す利益及び維持管理にかかる費用などを共有者全員の持分割合により分割を行わなければいけません。分割には端数が生じやすいのですが、そのまま放置しておくと共有者間で贈与があったとされ贈与税が課せられる場合があるので注意しなくてはいけません。
共有者の中から代表者を一人決め、その代表者の責任の元に共有者へ分配するということが一般的となります。
1)賃貸物件として活用するメリット
共有名義不動産を賃貸物件として活用する大きなメリットはやはり家賃という一定の収入が見込めるということです。
仮に共有名義不動産を放置したままだと固定資産税などの納税義務によって負担が生じるだけになります。また、放置したままの不動産が空き家状態になった場合は劣化が進み、不動産の価値が低下していざ売却しようとしても希望通りになりません。
もう一つのメリットとしては、共有名義によって収入が得られた場合の所得が分散されるので減税効果が望めます。ですので、賃貸収入が多くなることが予想される場合は、各共有者がそれぞれに確定申告をした方が得策と言えます。
2)賃貸物件として活用するデメリット
デメリットとしては賃貸経営をする上で家賃や経費の分配、管理方法などの問題で共有者同士の意見が合わず、トラブルとなることです。
家賃や経費は共有持分の割合に応じて分配されますが、基本的に代表者一人が分配して管理なども行うので他の共有者が経費を払ってくれないなどの問題が発生したり、反対に代表者が家賃を独り占めするなどのトラブルがあるということです。また、共有名義不動産である賃貸物件をリフォームするなどする場合は共有者全員の同意が必要となるので、色々と手間がかかるというデメリットがあります。
1)今後を見据えた見極め
賃貸物件として活用することが共有者間で合意した場合、以下の初期費用などがかかります。
①リフォーム費用
賃貸として貸し出す前にリフォームが必要です。どのくらいの規模でリフォームするかによって大きく変わりますが、居住用のリフォームだと相場として300万円から400万円といったところになります。
②不動産会社への手数料
賃貸物件として活用するには共有者自身が行うのではなく、専門家の不動産会社に委託することがほとんどで、不動産会社との契約にかかる様々な手数料が発生します。
実際に賃貸物件として活用した場合にも、空室リスクが存在し、安定的な家賃収入が得られるかの判断が必要です。最初は満室だったとしても建物の経年劣化や近隣により良い物件ができた場合など空室が増えて、固定資産税に加えて修繕費用や管理運営費用などの経費によって家賃収入よりも支出が増えてしまうこともあるのです。
賃貸物件として活用するためには、共有不動産が継続して家賃収入が得られるかどうか、将来性をもってシュミレーションすることがとても大事だと言えます。
2)賃貸物件での活用ではなく共有名義不動産を売却するという選択
共有名義不動産を賃貸物件として活用する様々な点について説明しましたが、反対に共有名義不動産を売却するという選択についていくつか提案をしたいと思います。
共有名義不動産を売却するいちばんのメリットは共有関係を解消できるということです。
不動産の共有関係を長く持続させると建物の修繕やリフォームなどその都度、共有者全員の同意が必要です。最初は意見が一致していても時間がたつにつれ、共有者の誰かが今までとは違う意見を唱えるかもしれません。
また、共有者の誰かが亡くなって相続など発生すると、共有関係が複雑化します。
その他にも共有名義不動産はトラブルになりやすいし、いったんトラブルが発生すると解決が困難なので、売却することによりそういったリスクがなくなると言うことです。
もうひとつは、売却したことでまとまったお金も入る上に今後の固定資産税や維持、管理費用などの支出がなくなるというメリットもあります。
こういった点を踏まえて何よりも専門家に相談して、今後の対策をしっかり立てていくことをお勧めします。
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