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共有不動産の「持分の交換」という選択肢

不動産の共有状態は各共有者にとって共有物に対し権利を互いに制約し合い、共有財産を有効に活用するうえで障害となるおそれがあるので必ずしも好ましいことではありません。

 

共有不動産を有効に活用する為にも必要に応じて共有関係の解消を考えることは重要なことですよね。

 

共有状態を解消する手段として、色々選択肢はありますが、その中に持分の“権利を交換”する方法があります。以下、3項目の内容でご説明して行きます。

 

-「持分の交換」とはどのようなものか?

-「固定資産の交換の特例」とは?

-共有不動産を交換するメリットは?

 

「持分の交換」とはどのようなものか?

「持分の交換」とはどのようなものか?

持分の権利を交換する方法は不動産の等価交換とも呼ばれています。

 

民法第586条(交換)

 1項.交換は、当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを約することによって、その効力を生ずる。

 2項.当事者の一方が他の権利とともに金銭の所有権を移転することを約した場合におけるその金銭については、売買の代金に関する規定を準用する。

 

「交換」とは物々交換のようなイメージですね。

もう少しわかりやすくイメージできるようにご説明しましょう。

 

親が亡くなり残した賃貸マンション2棟を兄と弟の2人が共有名義で相続しました。持分は2分の1ずつです。

その後、兄がこのマンション2棟を売却したいと弟に相談しましたが、弟は賃料収入を引き続き得たいと考えており売却には反対しています。

こういった状況です。

この場合の解決策は選択肢がいくつかありますが、この場合、マンション2棟はそれぞれ不動産の評価額が同じだったことから、共有不動産の持分の権利の交換を選択しました。

それぞれの共有持分を交換することによってマンション1棟ずつを所有することにしました。これで共有名義状態は解消されることになります。

 

兄弟は持分を交換することによって兄は自分の所有しているマンション1棟を売却し、弟は自分の単独名義の賃貸マンション1棟の賃貸経営をはじめることができ、まさにウィンウィン状態です。

 

この例は共有持分部分の評価額がほぼ同じだったので、それぞれを交換することで部分売却ではなく1棟全部を売却ができ、より高く売却できる可能性が高くなりました。

 

これとは別に評価額が異なる場合はどうでしょうか?

評価額が低い持分の所有の場合は交換することで、むしろ有利になりラッキーですよね。

評価額が異なる場合は差額を金銭で提供することで交換を成立させることができます。

「固定資産の交換の特例」とは?

先ほどの例では持分の交換を行いましたが、土地や建物も条件を満たせば交換することができます。

これを不動産の等価交換と呼んでいます。

 

不動産の等価交換は、法律で定められた「固定資産の交換の特例」に基づいています。

 

「固定資産の交換の特例」とはどういったことでしょう?

 

土地や建物などの固定資産を交換した場合、所得税の原則では例えお金が動かなくても固定資産の売却と購入が行なわれたとして、所得税が課されます。しかし、一定条件を備えた場合には「譲渡がなかったもの」として所得税が課されません。

 

「固定資産の交換の特例」は、土地や建物といった固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときに、譲渡がなかったものと見なす制度です。

 

通常、不動産を売却するとその譲渡益に譲渡所得税や所得税が課せられます。

しかし、固定資産の交換では同等価値の不動産を交換し取得するため、譲渡益が発生しないものして課税の対象外となっているのです。

固定資産の交換の特例を受けるには下の要件をすべて満たす必要があります。

 

1.交換により譲渡する土地や建物および取得する土地や建物は、いずれも固定資産であること。

不動産業者が販売のために所有している土地や建物は、特例の対象外です。

 

2. 交換する固定資産は、土地と土地、建物と建物のように同じ種類であること。なお、借地権は土地に含まれ、建物に附属する設備や構築物は建物に含まれます。

 

3.交換する固定資産は、双方ともに1年以上所有していたものであること。かつ、交換のために取得したものではないこと。

 

4. 交換により取得する固定資産は、譲渡する固定資産と同じ用途に使用すること。なお、土地の用途は宅地、田畑、鉱泉地、池沼、牧場または原野、山林などに、建物の用途は居住用、店舗または事務所用、工場用、倉庫用などに細かく区分されています。

 

5.交換により取得する固定資産と、譲渡する固定資産の時価の差が、高いほうの価額の20%以内であること。

 

交換をする資産は、以上の条件を満たさなければなりません。

 

もし特例を受けていても、相手から交換で生じた差額分のお金を受け取っているときはその金額が譲渡所得として所得税の課税対象になります。

 

特例を受けるためには確定申告書にその明細を記載し、必要書類を添え提出しなければなりません。

 

不動産の交換に伴う登記手続きは当事者同士で費用などの話がまとまると登記手続きにうつります。

交換する当事者同士が対象不動産両者について、所有権移転登記手続きを行います。

10日ほどあれば手続きは完了できるケースがほとんどです。

登記は司法書士事務所に相談することをお勧めします。

 

必要書類は
①登記事項証明書
②権利証または登記識別情報
③印鑑証明(発行日から3ヶ月以内)
④印鑑(実印)
⑤住民票写し
⑥固定資産評価証明書
になります。

共有不動産を交換するメリットは?

共有不動産を交換するメリットは?

共有不動産の持分の交換や、不動産の等価交換などの方法は権利の交換をするだけなので売買が発生しません。

多額の資金を用意する必要がなく、共有関係を解消できるメリットがあります。

協議がうまくいけば共有者全員の希望にそえる可能性もあります。

 

そして「固定資産の交換の特例」を受けると節税効果も高くなります。

 

共有不動産の資産価値が同じであれば持分の交換がスムーズに行えますが実際は交換する資産の形や価値は一致しないことが多く資産価値に差があるものを交換すれば、贈与とみなされて贈与税が課税されます。

 

実際には、この事例のように全く同じ価値のものを交換できることはほとんどありません。そのため、自分がイメージしていた交換が実現できなくて損をしたと感じてしまうこともあります。

 

また、交換で得た資産のその後の運用において思わぬ税金がかかることもあります。

 

等価交換をして共有関係が解消できてもその後の不動産管理や税金の支払いで負担が大きくなり頭を抱えてしまうこともあります。

 

等価交換を行うときは目先の利益だけでなく、長い目でその後の経費なども十分に考慮して新しく取得する不動産の管理を行っていかなければなりません。

 

このような大切な資産を維持、管理していくには不動産の専門家や税理士などからアドバイスを受けながら自分の負担にならないようにしていきたいものです。

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